(10月17日)サポートメンバー(有料会員)の皆さん、アンニョンハセヨ。
ニュースレター第7号をお届けいたします。今号は韓国社会・韓国政治をテーマにお届けします。韓国社会では尹政権への圧力の高まりを感じます。検察を自在に操り(?)無敵と思われた尹大統領ですが、やはり民意には勝てないようです。詳しく解説しました。
今号の目次は以下の通りです。
-
韓国社会(1):韓国最大の防衛産業展示会『ADEX』始まる
-
韓国社会(2):『チャングムの誓い』の李英愛、李承晩記念館への寄付が呼ぶ議論
-
韓国社会(3):「パレスチナの抵抗は正当」ソウル市内で約500人が集会
-
韓国政治(1):「尹大統領の時間は6か月も残っていない」ソウル江西区長選で与党惨敗、批判の矛先は尹大統領に
-
韓国政治(2):世論調査から読む韓国有権者の「クールさ」、第三党は苦戦
-
ショートニュース:「韓国のamazon」クーパン労働者が配達中に亡くなる/ジャーナリズム続報:言論を守るべき財団が、尹政権に過度の忖度?/予算続き:原発R&Dが異例の増加、背景に尹大統領の原発推進政策か/ネットショッピング最大手クーパンの配達員が勤務中に亡くなる
-
あとがきに代えて:良い日韓関係の一例
◎韓国社会(1):韓国最大の防衛産業展示会『ADEX』始まる
17日からソウル市郊外の軍用ソウル空港で『ソウル国際航空宇宙および防衛産業展示会(ADEX)』が始まりました。
ADEXは韓国最大の防衛産業展示会として、韓国政府の全面支援により隔年で開催されるものです。主催側によると14回目となる今年は、過去最高の35か国、550社、2320ブースが参加して行われます。
また、55か国から114人の代表団が参加し、各国の軍幹部も多数含まれるそうです。
同日に行われた開幕式には尹錫悦大統領が出席し、祝辞を述べました。
尹大統領は「韓国の防衛産業は無から有を創造し、新たな歴史を刻んでいる」と述べ、「援助と輸入に依存していた国が、今や最先端の戦闘機を作り、輸出する水準にまで跳躍した」と韓国の発展を誇りました。
また「防衛産業は安保と経済を支える『国家戦略産業』である」と強調しながら、「政府は防衛産業の『先端戦略産業化』を国政課題として提示し、防衛産業の成長基盤をしっかりしたものにしようと努力している」と述べました。
防衛事業庁の資料によると、韓国政府は2027年までの短期間に「国防科学技術7大強国への跳躍(21年世界9位→27年同7位)」、「武器システムの迅速獲得期間の短縮(21年12年→27年5年)」、「防衛産業の規模の倍増(20年17.9兆ウォン[約2兆円]→27年40兆ウォン[約4兆4000億円])」という野心的な三つの目標を掲げています。
文字通り「国策」といって差し支えないでしょう。
尹大統領は「これからもわが政府は、韓国の防衛産業と航空宇宙産業の国際競争力を強化することに最善を尽くす」と祝辞を締めました。
ADEX開幕式でゴールドバーグ駐韓米国大使と握手する尹錫悦大統領。大統領室提供。
この日、会場では韓国の『韓国航空宇宙産業(KAI)』が開発している国産最新鋭戦闘機KF-21『ポラメ』が初めて一般公開され、テスト飛行を行いました。
また、開幕を記念した飛行ショーには豪州の特殊飛行団が参加し、さらにKF-21と米軍の戦略爆撃機B52が合同飛行を行うパフォーマンスもありました。B52にはこの後、韓国の清州(チョンジュ)空軍基地に着陸しました。国防部によると、同機が韓国の空軍基地に着陸したのは今回が初めてとのことです。
ADEXを通じ売り込まれる韓国産の武器は、FA-50といった軽攻撃機から、「世界の自走砲市場の半分を占める」(尹大統領)K-9自走砲、K-2戦車、韓国型機動へり・スリオン、小型多目的ヘリ、装甲車に多連装ロケットなど様々です。水素で動くドローンなどもありました。
現代(ヒュンダイ)自動車グループが開発中の「水素燃料電池軍用ドローン」。同社HPより引用。
一方で、こんな物々しい武器展示会に対する根強い批判があります。
韓国では2013年から韓国一のアドボカシー(政策提言)NGO『参与連帯』や『韓・ベ(ベトナム)平和財団』などが中心となってADEXに反対する『ADEX抵抗アクション』が行われています。
同アクションでは今年もADEXの開幕に合わせ声明書を発表しました。
声明書では昨今のハマス・イスラエル戦争に触れつつ、防衛産業について「数多くの生命を殺傷し基盤施設と環境を破壊する戦争が、武器産業業界にとって好材料として作動する事実は、死と苦痛に寄生してこそ成長できる武器産業の本質を露わにする」と指摘しています。
また、韓国政府の産業研究院が発表した報告書に「ロシア―ウクライナ戦争が韓国のような新興武器輸出国においては『千載一遇』の機会である」と書かれていたことを取り上げ、「『K-防産(防衛産業)』という美辞麗句は、誰かの苦痛により利益を得ているADEXの本質を隠している」と非難しました。
声明書ではまた、尹大統領が掲げる『力による平和』を強い武器に強い武器で対抗するという悪循環をもたらす「危険な綱渡り」と見なし、朝鮮半島やイスラエル・ガザ地区の紛争を例に対話の重要性を訴えました。
一方、同アクションのサイト(リンク)では「ADEXには軍と警察を動員し自国民を弾圧する政権もVIPとして招待される」と指摘してします。
いかがでしょうか。
確かに、韓国社会では最新武器の開発・生産と輸出について諸手を挙げて賛成する雰囲気が目立つのが事実です。メディアはこぞって輸出実績を褒め称え、大きく報じます。
ウクライナ戦争のさなか、ポーランドに軽攻撃機や戦車、自走砲など90億ドル分の装備を輸出することが決まった際には「史上最大の輸出」「ジャックポット」といった表現が並びました。
こうした「強さ」が支持を受ける背景には、今なお極限の対立を見せる南北分断状況、さらにこれに端を発する徴兵制など軍事動員文化の存在を挙げられるでしょう。また、輸出国家としての性格も作用しているかもしれません。
いずれにせよ、国家がいかに武器産業を育成しているのかはメディアや市民社会によってしっかりとチェックされなければならないでしょう。
私も今年はじめて取材に行く予定です。次の報告をお待ちください。
『ADEX抵抗アクション』のHPでは、「ADEXの観覧ポイント」として、いくつかのテーマを挙げている。上記イメージは「中東の涙」というもの。「過去20年間、中東に最も多くの武器を販売した国家は米国。中東の武器輸入の54%は米国産」としています。
◎韓国社会(2):『チャングムの誓い』の李英愛、李承晩記念館への寄付が呼ぶ議論
10月3日、ドラマ『チャングムの誓い』などで有名な韓国のトップ俳優(韓国では女優という言葉を使いません)、李英愛(イ・ヨンエ)さんが、李承晩(イ・スンマン、在任1948〜60年)大統領記念館建立に寄付した理由について改めてコメントしました。
事の経緯はやや複雑です。
まず李英愛さんは9月12日に、同記念館建立のために5000万ウォン(約550万円)を寄付しました。
寄付と共に添えた手紙によるとその理由は「李承晩大統領には過ちもあるが、それでもこんにちの自由大韓民国がそびえ立つように、その礎を固く整えられた方と思います」というものでした。
また「韓国の歴代の大統領には在任中、過ちもあったが、わが国と国民のために行った良い事も多いと思います」としながら「過ちだけを非難し、国民の葛藤(争い)させるよりも、良い事を称賛し和合できるようにするならば、子ども達がより平穏で良い国で暮らしていけるのではないかと願ってみます」と明かしていました。
李英愛さんは他に、朴正熙、金泳三、金大中、盧武鉉大統領の財団をも後援しているとしました。これは、保守派と進歩派にかかわらず支援しているということを指します。
保守紙『朝鮮日報』がこうした内容を大きく取り上げるや、韓国の著名ブロガー、イム・ビョンドさんが進歩派市民メディア『オーマイニュース』に「李承晩の過去、李英愛氏がもう一度細かく見て欲しい」という記事を寄稿しました。
この中で李元大統領の「過ち」について、48年8月の政府樹立直後に始まった親日派の処断を止めたことや、済州4.3事件や麗順事件、保導連盟事件など多数の民間人虐殺の命令権者であったこと、さらに不正選挙を行いこれに反対する市民を殺害したことなどを挙げながら「李承晩記念館は歴史を歪曲する基になる」と批判しました。
そして「李英愛氏の寄付が(和合ではなく)逆に葛藤を増幅する触媒の役割を果たすようで残念だ」と指摘し、「なぜ歴代政権が李承晩記念館を作らなかったのかをじっくりと考えてみるべき」と結びました。
李英愛さん。押しも押されぬ韓国のトップ俳優の一人です。同氏のインスタグラムより引用。
韓国の初代大統領である李承晩元大統領については、韓国では(特に50代以上の世代では)評価が真っ二つに分かれます。
「建国の父」や「北朝鮮を撃退し国を守った」という肯定評価がある一方、先の記事で引用した通り、無辜の人や反対派を虐殺したという強い拒否反応もあります。ある歴史学者は「建国の父、独裁の母」と称しもしました。
さらに『建国節論争』というものがあります。
ニューライトと呼ばれる「反共」から「新自由主義」へと保守陣営を「更新」しようとした新保守派を中心に、これまで「政府樹立日」とされてきた1948年8月15日を「建国の日」とすべきという主張が、2000年代から程度の高低はあれど続いてきました。
この動きは特に李明博(イ・ミョンバク、任期08年2月〜13年2月)、朴槿惠(任期13年2月〜17年3月)の時にピークに達しました。例えば朴槿惠大統領は2013年8月15日の『光復節』演説で「建国68年」と述べています。
韓国の憲法前文は「悠久の歴史と伝統に輝くわが大韓民国は3.1運動により建立された大韓民国臨時政府の法統と、不義に抗拒した4.19民主理念を継承し〜」と始まります。
このように、1919年に日本による植民地支配に抵抗し起きた『3.1独立運動』と、その結果樹立された『大韓民国臨時政府』が韓国という国の起点とされているわけです。
しかし、これを「48年8月15日に建国」と変えることは李承晩氏の美化が目的ではありません。
その背景には、分断以前に朝鮮半島や中国や日本、米国など諸外国で行われていた独立運動の歴史をなかったものにしたい、保守派の魂胆が潜んでいます。
当時、社会主義や無政府主義といった幅広いスペクトラムの下で行われていた独立運動の歴史に目を塞ぎ、韓国が自由民主主義と市場経済という哲学の元に一貫して、直線的・目的論的に建国されたと歴史を解釈することで、北朝鮮との対立における正当性の確保を目的としたものです。
ですが48年の韓国初の憲法(制憲憲法)のどこにも自由民主主義や市場経済などとは書かれていません。こんな歴史のねつ造に当然、進歩派は反対し、今も形の上では論争が続いています。
実は、本来ならば論争など成り立ちません。そもそも李承晩自身の48年8月15日の演説の署名は「大韓民国30年」となっているからです。
だからこそ「48年建国説」は歴史修正主義に近いこじつけと言う他にありません。そして李承晩記念館もまた「48年建国説」を主張する人々が推進しているものです。その目的は歪んだ歴史観の強調にあるとみる他にないのです。
1948年7月24日に開かれた李承晩(中央左)初代大統領就任式。大統領記録館より引用。
こんな先鋭的な対立(一般市民はあまり関心がありませんが)が続く中に、李英愛さんはいわば自ら飛び込む形になりました。李さんは超有名俳優ということもあり、この一件はちょっとした騒ぎになりました。
批判の中には「李英愛が右派の広告塔になっている」というようなものもあり、「何も知らないのにでしゃばる」という個人的な中傷も行われていました。
前置きが長くなりましたが、3日のコメントは、李英愛さんがこの騒ぎに対応する形で出したものです。
中身は冒頭の寄付の理由として語った内容と変わりませんが、批判を意識してか「歴史と建国史を書き直すことを支持しない」と明らかにしました。
また、李承晩の「功」については改めて北朝鮮を撃退したことを挙げ、「わが国が北韓(北朝鮮)政権の野欲にしたがい彼らが望む個人一家への独裁共産国家になったならば、今も私たちの子どもたちは世界で最も貧しく自由のない場所で生きていただろう。どれほど恐ろしいことなのか」と強調しました。
いかがでしょうか。
李英愛さんの父は朝鮮戦争に従軍した、韓国の国家有功者です。そんな父の影響があると李英愛さん自身が過去にも明かしたことがありますが、トップ俳優が現代史について発言することが話題になる自体、今なお続く朝鮮半島の分断状況を感じさせる出来事といえます。
李英愛さんは3日の声明文でまた「とにかく理念を押し出し、互いに憎み葛藤する(争う)よりも、包容し包み込む和合がより成熟した自由民主主義国家へと発展する道ではないかと思い、亡くなった大統領すべての方の功を称え記念財団に寄付するもの」と寄付の意図を明確にしました。
やや横道にそれますが、私は今回の記事を書くために改めて声明文を読みながら、先のジャニーズ事務所会見での井ノ原さんの「子どもが見ている」発言を思い出しました。
実は李英愛さんは、先の著名ブロガー、イム・ビョンドさんの記事が出た後で別途、手紙を書いています。そこにはこうありました。
「イム・ビョンド記者の意中を明確に知ることはできませんが、大人たちが私たちの子どもに、彼らが生きていく正しい国を作るために皆、一歩ずつ下がり後を振り返り譲歩し和合することが正しいのではないかと考えます。(中略)私の至らなさにより心に傷を負った国民たちがいらっしゃるならば、その方たちにも深く謝罪します」
以前私が記事にしたように、李承晩元大統領が下したであろう命令により虐殺された人の子孫は今も苦しんでいます。
それを勝手に終わらせ、あたかも無かったことにするのが大人の振るまいであるとでも言わんばかりの発言に「強者の理論だな」と思いました。
一方で、李英愛さんのような主張が、韓国で突飛なものではなく、成功した人々や富裕層の人に普遍的なものであることもまた事実です。「いつまで日本に謝罪と賠償を求めるのだ」という感覚と同じものと言えば分かりやすいかもしれません。
さらに韓国の陣営間の対立はここ5年ほど激しくなり続け、ピークに達している感があります。妥協と対話が何よりも求められているのも、これまた事実です。
そうした点で李英愛さんの発言は一定の説得力が当然あり「韓国社会において的外れなものではない」ことを書いておきます。
その上で、今回の李英愛さんの行動と発言をめぐるちょっとした騒動から、分断と北朝鮮との対立を抱える韓国現代史の複雑さがクッキリと浮き彫りになったとまとめたいと思います。
◎韓国社会(3):「パレスチナの抵抗は正当」ソウル市内で約500人が集会
6日にイスラム勢力ハマスがイスラエルに越境攻撃を仕掛けたことで始まった、ハマス・イスラエル間の戦争。ニュースレターを書いている17日晩の段階で、イスラエルによるガザ地区への本格的な侵攻はまだ始まっていません。
しかし既にパレスチナ、イスラエルの双方で4000人を超える死者が出ており、今なお収まる気配がありません。水曜日(現地時間)にバイデン米大統領がイスラエルを訪問し、何か変化があることに期待します。
少し時間は経ちましたが、15日(日曜日)の午後、ソウル市内・梨泰院(イテウォン)でパレスチナ人とその支持者たちによる集会が行われました。
集会に参加した市民は目視では500人弱というところで、家族連れの姿も目立ちました。彼らはイスラエル軍によるガザへの爆撃や地上軍投入に反対すると同時に、パレスチナの抵抗に正当性があり、パレスチナに連帯すると主張し、「フリー・パレスチナ!」と声を上げました。
声を上げる集会参加者たち。15日、筆者撮影。
梨泰院に隣接する隣駅から始まった集会では、ソウル有数の外国人街である梨泰院の目抜き通りの車道を通って、梨泰院駅から徒歩15分ほどのソウル中央モスクまでの行進も行われました。左右にずらりと並ぶ店では共に声を上げる客もおり、なかなかの一体感がありました。
この日、集会に参加した韓国人のチャン・ハンピッ(50)さんは「イスラエルがパレスチナを75年前に占領したことを知っていて、長いこと関心を持っていた」と参加の動機を語りました。
さらに西側の主要諸国が「反ハマス」で足並みを揃える中、韓国政府の役割について聞くと「韓国政府は間違っている。親米的な動きをしながら、米国がイスラエルを支援しアラブ人たちを抑圧することに同調している」と批判しました。
また「韓国でもこうして集会が開かれ、パレスチナ人の抵抗運動を連帯し支持していることがパレスチナの人々に伝わり、苦痛の中で少しでも力になれればよい」と明かしました。
次に話を聞いたのは、仁川(インチョン)からインターネット上の告知を見て参加したエジプト出身のアビド・アメットさん(40)でした。
パレスチナで起きていることについてどう思うかと聞くと「毎日毎日、死んでいく人々に対し何もできないという無力感がある」と暗い顔で明かしました。
また、パレスチナ人が抵抗することについて「全世界はウクライナに対し、自身を守る権利を認めている。しかしパレスチナ人たちがこの権利を使うことを人々はテロリズムと非難する。真の犯罪者は占領者たちで、パレスチナ人たちは自身の土地、女性と子どもを保護する権利を行使している」と述べ、その上で「全世界のアラブ人と自由の民たちはパレスチナ人の闘争を支持する」と結びました。これからも集会には参加し続けるとのことです。
残念ながらこの日は混乱で、ガザ出身の方へのインタビューができず、ヤフーへ記事を寄稿できませんでした。補完取材をして、近々記事にしたいと思います。
まずはサポートメンバーの皆さんへの報告でした。
エジプト出身のアビド・アメットさん。15日、筆者撮影。
集会はソウル中央モスク前で折り返しとなりました。15日、筆者撮影。
◎韓国政治(1):「尹大統領の時間は6か月も残っていない」ソウル江西区長選挙で与党惨敗、批判の矛先は尹大統領に
・選挙結果とその受け止め
11日、ソウル江西区長選挙が行われました。ソウルの西端に位置し、金浦空港があると共に新興住宅地として開発が進んでいる地域です。
結果は以下の表の通り、与党・国民の力の惨敗でした。最大野党・共に民主党候補との差は実に17.15%Pに及びました。
筆者作成。
江西区は過去の区長選や国会議員選を見ると、進歩派と保守派が入れ替わりで当選してきましたが、ここ数年は共に民主党が優勢でした。
同地域から選出される国会議員3人は現在、いずれも共に民主党所属です。また、22年3月の大統領選では李在明49.1%、尹錫悦46.9%とやはり野党優勢でした。こうした前提を踏まえても、大差がついたことは大きな衝撃でした。
選挙で与党は「政権安定論」、野党は「政権審判論」を掲げました。ソウルの片隅の区長選にもかかわらず、選挙は政権の中間評価級にまで大きくなり、来年4月の総選挙(300議席総入れ替え)の前哨戦と位置づけられました。
選挙直後、与党は「江西区民の厳重な選択を謙虚に受け入れる」としながら「国民の力と尹錫悦政府はただ『民生(庶民経済)』だけを目的に据え、非正常の正常化、自由民主主義の復元、民生経済の回復を引き寄せるためにこれかも精進する」と明かしました。
私はこれを見て、とても理念的だなと思うと共に、大敗したことを理解しているのかなと疑問を持ちました。
さらに、与党の「大ボス」である尹錫悦大統領を補佐する大統領室も「結果を厳重に受け止める」としました。
一方の共に民主党は「選挙の結果は尹錫悦政府に対する国民の峻厳な叱責であった」とし「民主党の勝利でなく国民の勝利であり、民生破綻に対する国民の審判である」と位置づけました。こちらは意気軒昂です。
総力戦で臨んだ選挙で大敗した与党は、当然ですが革新を求められました。
ですが13日に尹大統領は「選挙結果から教訓を探し、落ち着いて賢く変化を推進していくことが重要だ」と述べるにとどまりました。これは「現体制のままで良い」という言葉に他なりません。
そうして党から出てきたのが「任命職の総辞任」でした。代表や最高議員など選出された者以外はすべて辞めるというもので、事務総長や政策委議長、与党シンクタンク代表などが含まれます。
ですが、この措置について「おかしい」「ずれている」「生ぬるい」という批判が殺到しました。変わるのは党ではなく尹錫悦大統領だという意見が圧倒的でした。
保守紙『朝鮮日報』は14日の社説で「肝心なのは尹大統領の国政スタイルが変われるのかどうかだ」とストレートに書きました。
何度かニュースレターにも書いたように、同紙は尹政権と近い立ち位置で記事を書いているのが特徴です。大統領と一蓮托生というよりも、コーチするような役割と言ってよいでしょう。この社説は「大統領と与党が国民の意思に応えない場合、国民は完全に背を向けるだろう」と警告して終わります。
なぜ尹大統領の名が上がるのかというと、そもそも与党の金泰佑候補は選挙に出るべきでない人物だったからです。
同氏は実は、今年5月まで江西区長でした。過去に文在寅政権時代に青瓦台(大統領室)で勤務していた際に得た機密情報を漏洩(金氏本人は公益的な観点から暴露したとしました)した事件の有罪判決が確定し、職を失いました。
ですが8月15日の『光復節』特赦で服役中の金泰佑を釈放し、ふたたび候補に据えたのが他でもない尹大統領だったのです。
敗れた金泰佑候補。同氏Facebookより引用。
一般的な心情として、補欠選挙の原因となった人物をふたたび出馬させるというのはあり得ない出来事です。しかも金泰佑氏は冤罪でも何でもありませんでした。
ですが「反文政権」の先鋒に立った人物として、尹大統領が金氏を見初め重用したことが事の本質だという問題提起でした。
つまり、常識的に無理だということを尹大統領に直言できる人物がいないということです。与党もまた、金起炫(キム・ギヒョン)代表をはじめ、尹大統領の強い影響力の下にあるのは一目瞭然で、存在感がありません。
与党は15日に議員総会を開きましたが、大統領室と一線を引き指導部の刷新を求める一部の声を抑え、「このままで行く」という結論にまとまりました。こうなると矛先が尹大統領に向く他にありません。
尹大統領の政治スタイルについては「人の話を聞かない」という評価が定着しつつあります。
長官クラスが報告に言っても自分の話ばかりするというものから、参謀たちが諫めるような発言をすると怒りだすといった内容が韓国メディアに流れています。
興味深いのがこうした批判が保守紙に多く見られるということです。
来年4月の総選挙を控えた危機感は相当なものがあります。『朝鮮日報』は「来年の選挙で今回のように完敗する場合には残る3年は『植物政府』となる」(13日付社説)、「尹大統領の時間は6か月も残っていない」(16日付け論説委員コラム)と尹大統領の尻を叩いています。
一方、『中央日報』のベテラン論説委員は16日付けのコラムで「(このままでは)来年の総選挙で首都圏と中道層を奪われ惨敗するだろう。政権はよろめくレイムダックではなく、既に死んでいる『デッドダック』になるだろう」、「今のように内部からの批判と言路(直言を聞くルート)が塞がる場合、太鼓持ちによるおべんちゃらに溺れる『裸の王様』になるだろう」と警告しています。
背景には、地域政党化という「退化」が進む与党の特徴があります。
韓国で嶺南(ヨンナム)と呼ばれる、慶尚南北道、大邱(テグ)、釜山(プサン)、蔚山(ウルサン)といった地域の小選挙区で当選した議員が、同党の小選挙区議員全体に占める割合は、08年の37.2%から20年には66.7%(84議席中56議席)と激増しています。
全国での支持を失い、08年には137議席だった小選挙区の議席が、20年には84議席にまで減っています。嶺南で強い理由は、故朴正熙大統領(61年~79年)が大統領在任時、同地域の人材を多く登用し、経済開発を強く進めたからです。
このため、首都圏で同党の声を代弁する議員が減ると同時に、強固な地盤で立候補イコール当選となる嶺南圏の現職議員は、党の公認を得ることが目標となります。今ですと、極めて強い影響力を持ち、党を左右する尹大統領の顔色をうかがうようになるのです。
いずれにせよ批判を受けてか、尹大統領は16日、大統領室の参謀たちに対し「国民・現場・党政(与党と政府)の疎通をより強化せよ」と注文しました。
だが、真に疎通が求められているのは尹大統領に他なりません。メディアの質問を公に受ける記者会見は、昨年8月の「就任100日会見」以来、一度も行われていません。
韓国の有権者が尹大統領に抱く「独善」のイメージは今や相当なものがあります。まずはこれを積極的に払拭する努力をするべきでしょう。
16日、首席秘書官会議を屋外で開催した尹錫悦大統領。大統領室提供。
・高まる38歳、李俊錫の存在感
尹大統領と与党指導部への批判と反比例するかのように「李俊錫(イ・ジュンソク)待望論」が高まっています。特に政治評論家の間で盛んに言及にされています。
李俊錫氏とは、与党の前代表を務めた人物です。国会議員経験はないのですが、連日テレビの討論番組に出て高い知名度を持ち、ハーバード出身で弁舌も達者とあり、特に20、30代男性からの支持を集める政治家です。大統領になる以前の朴槿惠氏に見出され政界入りし10年ほど経ちます。
現与党がその朴槿惠大統領の弾劾により求心力を失い、大統領候補を政治経験のない尹錫悦氏に託すしかなかったように、李俊錫氏もまた改革に向けた世論を受け、20年6月にわずか36歳で韓国で最も長い伝統を持つ保守政党の代表となりました。
そして21年のソウル・釜山の両市長補欠選挙や22年3月の大統領選で、さらに同年6月の統一地方選での勝利に寄与したとされますが、歯に衣着せない物言いや改革の急進性から党内の反発も強く、最終的には尹大統領により追い出される形となりました。
その際に尹大統領が発信したとされる「内部に銃を向ける党代表が代わって(雰囲気が)良くなった」というメッセージは有名です。
そんな李俊錫氏が16日、国会で会見を開き尹大統領に直言しました。
「理念に追従し、政策よりも政党(与党)掌握に没頭した姿を捨てるべき」、「江西区長選挙で表れた民心は『共産全体主義』などといったカカシ(幻影の意)と戦わずに(内政の)問題を放っておくなという強い注文だった」と畳みかけ、大統領の変身を朗々と訴えたのです。
途中、感極まって涙を流すなどパフォーマンスとしても一流でした。李俊錫氏は今なお「保守の改革派」というイメージを一定して維持していることから、結果としては自身の売り込みではなかったのかという穿った見方も少なくありません。
一方で、直言するのが若手政治家しかないことが浮き彫りになるという、興味深い出来事でした。
李俊錫氏は議員経験はないため、まだまだ政治家としての実績面では物足りませんが、大衆的な政治スピーカーとしての注目度は高く、依然として政界再編のプレイヤーの一人であることは間違いありません。
国民の力の李俊錫前代表。筆者撮影の資料写真。
◎韓国政治(2):世論調査から見るの韓国世論の現住所、「第三党」はいつ?
韓国といえば世論調査大国です。簡単なものは30万円~50万円程度でできるため、メディアも困った時の世論調査頼みとばかりに関連記事が多くなります。
つまり玉石混交ということですが、そんな中でもある程度の信頼度がある調査を挙げるとしたら、『韓国ギャラップ』、『リアルメーター』、そして4つの世論調査機関が合同で行う『NBS(全国指標調査)』の三社となります。
それぞれ最新の結果を見てみると、いわゆる大統領の支持率とされる国政遂行評価では以下のようになります。
筆者作成。
いずれも似たような結果となっていますね。民意の現住所が分かります。
判断理由について見ていきます。
『韓国ギャラップ』では肯定評価の理由として、▲外交:32%、▲国防安保:7%、▲全体的によい/決断力・推進力:各5%、▲分からない/回答なし:20%などでした。
同様に否定評価では、▲経済・民生・物価:16%、▲外交:13%、▲独断的:9%、▲分からない/回答無し:13%などでした。
『NBS』では別のやり方で聞いています。
「国政運営でうまくやっている部分」というもので、これに対しては、▲決断力がある:18%、▲一貫性があり信頼できる:6%、▲公正で正義に則っている:6%、▲無し:51%などとなっていました。
他方、「うまくやれていない部分」では、▲独断的で一方的:22%、▲経験と能力不足:17%、▲国民との疎通が不足:10%、▲無し:14%などでした。
概ね、前項で触れたような尹大統領のスタイルが良くも悪くも目立っていることが分かります。
年齢層では、以前のニュースレターで紹介したように、トレンドが確立されつつあります。
18歳~59歳までの中では否定評価(不支持)60%近く、30代と40代では70%に肉薄します。60代は肯定(支持)と否定が半々、70代以上は70%が支持と逆転します。尹大統領にとっては強い逆風です。
政党支持率は以下のようになります。
筆者作成。
『リアルメーター』の数値が突出していますが、これは調査方法の差によるものという見方が一般的です。
他の2社は電話口で質問者に直接答えるものであるため野党支持者が本音を隠したり電話を切ってしまう一方で、『リアルメーター』社は自動音声の質問に番号を押して答えるため野党支持者が積極的に参加するというものです。
いずれにせよ、大切なのは他の2社の結果に見える、保守30%:進歩30%:無党派30%という数値です。これが今の韓国の政治地形と考えていただいて問題ありません。
無党派、韓国ではこれを中道層と呼びますが、選挙によって支持対象を変えるこの層をどう「攻略」するかが選挙の趨勢を決めます。
なお、上記『NBS』の調査では来年4月の総選挙についても聞いています。
「国政運営をよりしっかりとできるように政府と与党に力を持たせるべき」という与党支持は43%、「政府と与党を牽制できるよう野党に力を持たせるべき」という野党支持は46%で、まだまだ予断を許さない状況であるのが分かります。
最後に、正義党を初めとする「第三勢力」についてです。
今回の江西区長補欠選挙で、正義党は1.83%の得票にとどまる物足りない結果となりました。過去一年近く、党の革新に向け動いていましたが成果が出せないまま、存在感は小さくなり続けています。
同党は選挙後の16日の会見で「革新できる最後の機会という覚悟で、ひと月後の革新党大会に臨む」と明かしています。その内容としては解体後に新党を結成するというものから、緑の党などとの合併までも視野に入っているとされます。
しかし現在、党費を出す正義党の党員は1万人台にまで落ち込んでいるとされ、党は資金難にあえいでいるという報道も昨年から相次いでいます。
こんな「じり貧」とも言える状況をどう乗り越えていくのかは結局、どんな人たちを代表する政党になるのかというアイデンティティの再建に他なりません。
正義党は過去、労働者を代表する政党たらんとしましたが、これを今後、環境やジェンダー問題といった未だ韓国の政党が代表できていない分野に広げていけるのかにも注目です。左派政党は再建過程のさなかにあると言えそうです。
なお、このような韓国政治への深い分析については、昨年の大統領選の前に私が書いたこの記事がとても参考になります。例によって長いですが、ぜひ一度ご覧になってください。
◎ショートニュース
(1)共に民主党・李在明代表が連日の出廷
最大野党・共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表は、逮捕こそ免れましたが、裁判が続いています。非常に複雑なのですが『韓国日報』16日付けの記事が分かりやすかったので引用します。
16日、検察は李代表を偽証教唆の疑いで在宅起訴しました。李代表を起訴するのは4度目で、他の3つの嫌疑は▲公職選挙法違反、▲収賄、▲背任などとなっています。
同紙によると、検察は北朝鮮への送金疑惑についても別途起訴するとしており、起訴は都合5件になると見立てています。
また、刑事事件は本人の出席が原則となるため、裁判が重なり党務に影響が出る可能性があるともしながら「来年4月の総選挙前までに、一つだけでも李代表の有罪判決を導き出そうとする検察の戦略である」という法曹関係者のコメントを引用しています。
ここまで来ると、ついていくのが困難なほどですね。
しかし、李代表にとっては次の大統領選(27年3月)を見据える場合、一連の裁判は依然として「超えるべき壁」であるという見方が一般的です。
(2)ジャーナリズム続報:言論を守るべき財団が、尹政権に過度の忖度?
本ニュースレターでもお伝えしてきた通り、尹政権は「フェイクニュース」排除を掲げ、メディアへの規制を強めています。
そんな中、進歩系日刊紙『京郷新聞』が16日付けの記事で、文化体育観光部傘下の政府機関である韓国言論振興財団(以下、財団)が、意図的に報告書の内容を隠ぺいしていた事実を明かしました。
同記事によると、財団は今年6月、ロイタージャーナリズム研究所が発刊した『2023デジタルニュースレポート』を韓国語に翻訳する過程で、韓国メディアの信頼度に関する順位を明記した部分をごっそりと抜きました。
原文には「国家別の現況」として「最も信頼される個別ニュースブランドは、韓国の公営放送社MBCで昨年に比べ意味のある増加の勢いを見せた。YTN、KBS、SBS、JTBCの順で主要な放送社が後に続いた」という文章があったそうです。前年まで同じ報告書を翻訳する過程ではこんな事はなかったともしています。
財団関係者は同紙の取材に「『信頼度の順位が自社(この場合はMBC)を宣伝する手段として使われるおそれがあるため、翻訳時に順位の活用に留意してほしい』という意見がロイタージャーナリズム研究所側からあったため、内容を外すことにした」と明かしています。
MBCは昨年、尹大統領が米国訪問時に発した「バイデンの野郎」という失言を報じたことで、尹政権にとって目の上のこぶであるという見方もある中、同紙はある国家議員の「財団も政府の顔色をうかがっているのではないか」というコメントを載せています。
(3)予算続き:原発R&Dが異例の増加、背景に尹大統領の原発推進政策か
第5号で韓国の来年度予算でR&D(研究開発)予算が削減され内外にショックを与えているとしましたが、国政監査期間であることからその内訳が続々と明らかになっています。
共に民主党の金星煥(キム・ソンファン)議員が明らかにした資料を報じた『ハンギョレ』記事(13日付)によると、尹政権発足一か月前(当選後)の22年4月から23年8月までに、新規で発注された原発R&Dは4800億9650万ウォン(約530億円)で、これは同時期の全体のR&D予算の27.2%に達したとのことです。
これは過去17年から21年までの全ての原発R&D予算、4065億5900万ウォン(約448億円)よりも多く、その反面、再生可能エネルギーの新規R&Dは尹大統領になって減少しているとします。また、化石燃料の寿命延長を目的とする新規研究課題には721億ウォン(約80億円)が投入されているということです。
金議員は一連の動きについて「(予算を選定する)韓国エネルギー技術評価院の時代錯誤的な判断が如実に表れている」とし、その背景に「尹政権の『親原発』に度を超えて歩調を合わせている」ことがあると指摘しました。
・ネットショッピング最大手クーパンの配達員が勤務中に亡くなる
日本にamazonや楽天があるように、韓国では「coupangクーパン」という会社があります。利用しない市民はいないと言われるほどポピュラーなサービスで、新型コロナ下での配達・宅配量の増加もあり成長著しい企業です。また同時に、激務でも知られています。
13日明け方、この会社ではたらく60代の配達労働者A氏が倒れているのを住民が発見しました。
病院に運ばれましたが亡くなりました。傍らには配達しようとしていた段ボール箱が散らばっていたと『ハンギョレ』は伝えています。A氏の心臓は正常値の2倍以上に肥大していたそうです。
同紙の記事によると、A氏はクーパン社の子会社と契約した代理店B社に個人事業主として所属する形で勤務していたとし、勤労基準法の保護を受けられないとのことです。なお、他紙の記事によると、B社は事故が起きた当日、A氏の雇用保険と労災保険の加入申告を提出したそうです。
A氏が過労死かどうかは今後判断されるとしますが、クーパン社では過去4年間で13人が勤務により亡くなっているといいます。
『宅配労働者過労死対策委員会』によるとA氏のような勤務体系にあった労働者は平均して一日9.7時間、週5.9日のあいだ働き、常に過労状態にあるとしています。宅配遂行率が規定に満たない場合には配達区域を回収されてしまう制度が背景にあると指摘します。
一方、クーパン社は13日に発表した声明の中で、「故人はクーパンの勤労者ではなくB社(原文ではA物産)に所属する個人事業主である」とし「事実に基づかない一方的な主張を報道しないよう」求めています。
◎あとがきに代えて(18日更新):良い日韓関係の形
「今日はもう23時58分なので、このまま送ります!これからも頑張ります!」
17日、ニュースレターを配信する際にこうお送りしました。毎週2回お送りするペースがどんなものかようやく掴めてきたのですが、それでもスッと午後に送るという風にはいかず、いつも遅い時間になってしまいます。少しずつ改善していければと思います。
ふだん韓国にいるので、なかなか日本社会の雰囲気を感じることはできないのですが、先週あった、イスラエルから退避するために韓国政府が派遣した軍用機に日本人51人が同乗したというニュースへの反応は印象深いものがありました。
ツイッターやヤフコメを見る限り韓国政府に感謝する声が多く、私のツイートにまで「ありがとうございます」というコメントが付きました。
その様子を見ながら、ああ、互いに助け合うというのは良いことだなとしみじみ思いました。韓国のネットでは「燃油サーチャージくらい貰ってはどうか」と書かれていたのには笑ってしまいましたが。こんなニュースが増えてほしいものです。
一方で、イスラエル・ハマス間の戦争を前に、韓国という国の外交的な存在感の無さが浮き彫りになっていると感じます。ただ、米国にくっついているだけという印象です。80年代末の冷戦終結と共に始まった「北方政策」から続く韓国外交のチャレンジは、新冷戦を迎えた尹政権の下で、明らかにしぼんでしまいました。
韓国は総選挙を6か月後に控え、完全に政治の季節に入りました。政局ばかりを追うようなニュースでなく、行き詰まった政治を革新しようとする人々にフォーカスを当てていきます。
それではまた金曜日にお会いしましょう。ありがとうございます。(徐台教)
行きつけのカフェでいただいたサツマイモ。韓国はもうすっかり秋で、うっかりすると冬になります。