サポートメンバーの皆さん、アンニョンハセヨ。韓国の徐台教です。前回、韓国西北端の白翎島(ペクリョンド)から短信をお送りしてから約ひと月半。ようやく、ようやく、ニュースレター完全再開と相成りました。

◎本が出るので、ニュースレターを完全復活させます
昨年の初夏くらいからニュースレターを休みがちになった原因である、書籍がついに完成したからです。ちょうど今日が校了でした。9月26日に発売となります。
タイトルは『分断八〇年 韓国民主主義と南北統一の限界』です。今年2025年は、日本では終戦80年、韓国では光復(植民地からの解放)80年が一般的ですが、実は光復直後に朝鮮半島が米ソにより38度線で南北に分断されて80年でもあります。
本書ではこの分断が、過去から現在まで韓国社会にいかなる影響を与えてきたのかを横軸とし、さらに南北分断を韓国がどう解決しようとしてきたのかを縦軸にしながら、この未完の課題を今後どう乗り越えていくのかについて考える構成となっています。
そのため、1945年8月15日になぜ分断したのかから、2024年の尹錫悦の非常戒厳とそれに続く分断80年の25年8月15日までを取り扱っています。
80年の歴史を330ページあまりに整理するのはなかなか大変でしたが、なるべく説明調にならないよう、ルポやインタビューなどをできるだけ入れる構成となっております。
とまあ、説明はここまでにして(リンクはニュースレターの最後部に)、ここではいったん、ニュースレターの今後についてお話ししたいと思います。
◎ニュースレターで何をしていくか
ご存知のように、私は2023年10月頃から、『徐台教の韓国通信』というYouTube番組を、デモクラシータイムスのチャンネル内で隔週配信してきました。日本のリベラル系YouTubeでは屈指の規模を持つ同チャンネルでは、日韓関係・韓国社会・経済・政治・南北関係・時にカルチャーと幅広い内容を扱ってきました。
これにより「韓国の新しい一面を知ることができた」、「韓国全般に対する理解が広まった」という感想をたくさんいただきました。また、昨年12月の非常戒厳当日など何回かのライブを通じ、私自身の認知度を高めるとてもよい機会となりました。
しかし、この形態での放送は今月26日の第52回をもって一旦終わりとなりました。理由はいくつかあるのですが、番組の改編と共に、私も自身の強みを生かした取材に戻る必要を感じた点もあります。
フリージャーナリストが食べていくためには、「なんでも屋」であることも大切ですが、やはりそれだけでは尻すぼみになります。幸い、私にはニュースレターを購読してくれる皆さんもいますし、本を出したことで専門分野である南北関係を前面に押し出す体制が整いました。
つまり、私、徐台教の強みを生かす形に変えていくということです。しかしその一方で、どうしても日本社会が知っておくべき韓国社会の重要な動きについてもお伝えしたいと考えます。
そこで出した結論が「外部の筆陣を入れる」ということでした。
私より遥かに専門性を持ち、さらに韓国社会の変化の当事者である方々に定期的に寄稿していただく形です。その筆陣のトップが、今号から連載を始める張惠英(チャン・ヘヨン)元正義党議員となります。韓国社会の変化の最前線にいる張惠英さんの目は確かです。これまでにないニュースレターに生まれ変わるきっかけとなるでしょう。
さらに今のところもう2人、追加の筆陣がいます。追い追い紹介していきます。

整理しますと、今後のニュースレターは以下のような構成となります。毎週金曜日の発信となります。
(1)その週の南北関係・朝鮮半島情勢の動き(1500字〜2000字)
(2)その週の韓国政治の動き(1000字〜1500字)
(3)外部筆陣のコラム(1500〜2000字)
(4)ドキュメンタリー・映画・新刊紹介(合わせて1000〜1500字)
長すぎる気もしますが、これくらいのボリュームがないとお金は取れないと考えています。特に(1)は本を出したことで、変に存在した「出し惜しみ」がなくなった状態です。まずはこの部門で日本一になれるよう分析・データを積み重ねていきます。
一方で「携帯やパソコンでは読みづらい」という声があるのも事実です。そのために、その週のニュースレターの内容をYouTubeでお話しするものも並行してやっていきます。全く同じ内容を説明するものです。会員(サポートメンバー)だけに公開する形となります。
また、ここが大事なのですが、ニュースレターの名前が現在の『新・アリランの歌』から『コリア・フォーカス』に変わります。メール差出人の名前も変わるので、ご注意ください。
この他にも単発記事を様々な媒体に出す度にお送りいたします。
さて、前置きが長くなりました。それでは新連載、張惠英さんのコラムをお読みください。シリーズのタイトルは『意外な韓国』となります。
今年38歳の張惠英さんは、高校で映像を学び、名門・延世大学に進学するも大学4年生の時に大学を中退します。学歴社会に警鐘を鳴らす一方、より自由な生き方を追求してのものでした。その後、発達障害を持ち施設に暮らしていた妹のヘジョンさんを施設から連れ出し、共に暮らし始めます。
その過程を映像で公開しながら、後に映画にしたことで注目を集めました。その後、2020年に正義党の比例代表2番で国会議員となりました。
…こういう通り一遍の紹介よりも今後、連載を通じて張惠英さんの人となりを知っていただければと思います。とにかく、韓国社会の変化の一翼を担う人物である、ということです。
[意外な韓国①] 闘う人たちにも休む場所が必要です(チャン・ヘヨン)
ソ・テギョさんのニュースレターをご覧になっている日本の読者の皆さん、お会いできて嬉しいです。私の名前はチャン・へヨン(張惠英)です。私は2020年から昨年まで韓国の進歩政党である正義党所属の国会議員として活動してきた政治家です。
この記事はサポートメンバー限定です
下記からメールアドレスを入力し、サポートメンバー登録することで読むことができます