8月8日、韓国の尹錫悦大統領がソウル・龍山の大統領室で国防革新委員会第2次会議を主宰した。尹大統領は2日から8日まで休暇の予定だったが、一日早めての復帰だった。
会議の冒頭で尹大統領は「北韓(北朝鮮)の核、ミサイル、サイバー、ドローンなどの非対称脅威は、私たちの目の前に襲い来る脅威であり、最優先で備えるべきだ」と述べた。
また、「わが軍の軍事戦略は北韓の核、ミサイルによる脅威を抑制し、北韓が核・ミサイルで挑発を行う際には、韓米同盟の即刻的で圧倒的な対応を通じ、脅威の根源を早期に除去できるよう樹立されなければならない」とし、「北韓の脅威に圧倒的に対応できる力量を備え、分をわきまえず戦いを挑んでこられないようにわが軍を圧倒的な力を持つ強軍に変えていかなければならない」と訴えた。
尹大統領はこの日特に、9月に新設されるドローン作戦司令部を取り上げ、「北韓によるドローン挑発の際に防衛作戦を主導し、攻勢的な戦略運用を通じ軍の断乎とした対応の意志を見せるべき」とその役割を強調すると共に、「実践的な訓練を通じいつでもどこでも即刻任務を遂行できる力量と態勢を備えるべき」と述べた。
さらに尹大統領は、兵士の透徹した国家観についても言及した。これについては「勝つための強軍となるためには、わが将兵たちが確固とした対敵観と国家観、軍人精神で武装しなければならない。自由民主主義を脅かす反国家的な主張と歪曲された歴史観をただし、将兵たちが正しい認識を持てるよう精神戦力の極大化にも力を注ぐべき」と注文した。
国防革新委員会は尹錫悦政権下の22年12月に新設されたもの。委員長は大統領が務め、委員としては国家安保室長や国防部長官の他に7人に民間委員で構成される。
現在の副委員長は朴槿惠政権時代に国防部長官と国家安保室長を務め、韓国軍に誰よりも精通しているとされる金寛鎮(キム・グァンジン)が務めている。同氏は北朝鮮に対する強硬な態度でも知られており、尹大統領が信頼を寄せているとされる。
同委員会の出帆式は23年5月11日に行われている。尹大統領は当時、国防の革新の目標として「わが軍がますます高度化する北韓の核・ミサイルの脅威に備え、圧倒的な対応能力を優先的に保持し、対内外の戦略環境の変化に合った効率的な軍の構造に姿を変えること」と明かしている。
「北が核・ミサイル挑発時には根源を早期に除去」、尹大統領が国防革新委員会第2次会議を主宰
この記事を書いている人
徐台教(서대교)
『コリア・フォーカス』編集長。群馬県生まれの在日コリアン3世。1999年から韓国在住。ソウル外国人特派員協会(SFCC)正会員。22年「第7回鶴峰賞言論部門優秀賞」受賞。
『코리아 포커스』편집장. 재일교포3세. 1999년부터 한국에 거주하면서 한반도문제와 인연을 맺음. 서울외신기자클럽(SFCC) 정회원, 제7회 학봉상 언론부문 우수상(22년) 수상.