●第74周年済州4.3犠牲者追念の辞
尊敬する国民の皆さん
生存する済州4.3の犠牲者と遺家族の皆さん、
そして済州道民の皆さん
私たちは4.3の痛ましい歴史とひとりひとりの無辜の犠牲を覚えています。
悔しいとのひと言も言えずに、大切な人々を失った痛恨を、恋しさをもって耐えてきた済州島民と済州の歴史の前に粛然としています。
犠牲者たちの霊前に深い哀悼の気持ちを伝えます。
苦痛の歳月を共にして平和の島済州を築き上げた遺家族の方たちにもお見舞い申し上げます。
4.3の痛みを癒やし傷痕をお世話することは、4.3を記憶する私たちの責任であり、和解と相生(共生)、そして未来へ進むための大韓民国の役目です。
4.3犠牲者と遺家族たちの完全な名誉回復のために努力いたします。
生存犠牲者の痛みと、辛い時期を乗り越えてきた遺家族の生活と苦しみも国家が責任を持っていたわるでしょう。
皆さん、無辜の犠牲者たちを国民と共に温かく抱きしめ痛みを分かち合うことは、自由と人権という普遍的価値を目指す自由民主主義国家として当然の義務です。
過去の悲劇を繰り返さないという意志は、74年が過ぎた今日この場にもつながっており、これからも続くでしょう。
過去は私たちが変えることができませんが、未来は私たちが共に作っていけるという信頼が、悲劇から平和へと進んだ4.3が持つ歴史の力だと思います。
ここ済州4.3平和公園に込められた平和と人権の価値が広く行き渡り世界と出会えるよう、新政権でも努力いたします。
済州道民の皆さん、今年2月に私がここを訪れた時は吹雪いていました。
今日は済州のあちこちに赤い椿(訳注:椿は済州4.3の象徴)が満開でした。
春がはっきりとやってきたのです。皆さんひとりひとりの胸にも暖かい春が花開くよう、より努力いたします。
無辜の犠牲者の魂を国民とともに温かく見守るという約束を忘れません。
もう一度、犠牲者たちの安息を祈り、遺家族の皆さんにも深い慰労の気持ちをお伝えいたます。
ありがとうございます。