韓国の尹錫悦大統領は23年7月27日、釜山(プサン)市内で行われた『国連軍参戦の日・停戦協定70周年記念式」に出席し、記念辞を述べた。本紙でこれを全訳した。原文テキストの出処は韓国大統領室。

演説する尹錫悦大統領。
23年7月27日、釜山市内の「映画の殿堂」で演説する尹錫悦大統領。韓国大統領室提供。

国連軍参戦の日・休戦協定70周年記念辞

尊敬する国民の皆さん、
国連参戦国の参戦勇士と政府代表団、
そして内外の貴賓の皆さん、

今日は韓国戦争休戦協定が締結されてから70周年になる日であり、「国連軍参戦の日」です。

大切な席を共にしてくださった、シンディ・キロ ニュージーランド総督をはじめとする国連参戦国政府代表団の皆様へ深く感謝いたします。

私たちが共にしているここ「映画の殿堂」は6.25戦争(朝鮮戦争)の時、国連軍の主力飛行場でした。

そしてここ釜山は6.25戦争中の臨時首都として、大韓民国安全保障における最後の砦でした。

釜山市大淵洞(テヨンドン)の国連記念公園には11か国2320人の国連軍参戦勇士が永眠しており、国連平和記念館は大韓民国の自由を守り抜いた方々の崇高な意思を称えています。

自由大韓民国のために命を捧げた参戦勇士たちの魂を追悼し、深い敬意を表します。

尊敬する国民の皆さん、

73年前、自由世界の多くの若者が「一つの国連旗の下」(under one banner)に全く知らない国である大韓民国の自由を守るために駆けつけました。

3年間で22か国から195万人の若者が、戦争の砲火の中に飛び込んできました。

米軍3万7千人を含む4万1千人の国連軍が戦死し、11万人が負傷したり捕虜になる、大きな犠牲を払いました。

国連軍参戦勇士の皆さんは人生の最も花ざかりに、知らない国の自由を守るために自分のすべてを捧げた私たちの本当の英雄です。

1953年の今日、休戦協定が締結されて以来70年が経った現在でも国連軍司令部は韓半島の平和を守り、大韓民国を守護する核心的な役割を果たしています。

国連軍司令部は韓半島有事の際、国連の旗の下、わが友邦国が即時的な軍事支援を提供できるようにし、戦争の遂行に欠かせない7か所の国連軍司令部後方基地を自動的に確保するプラットフォームです。

このように重要な国連軍司令部の役割は、国連の歴史の中でも唯一のものであり、何より自由のために連帯するという国際社会の強い意志を示しているという点において、その意味が格別です。

国連軍参戦勇士の皆さん、

今日の大韓民国は、国連軍の犠牲と献身、そして血のついた軍服の上に立っています。

大韓民国は皆様の犠牲と献身により、共産全体主義勢力から自由を守ることができました。

戦争の残酷な傷と廃墟を乗り越え、自由民主主義と市場経済を土台に目覚ましい成長と繁栄を遂げることができました。

今日の大韓民国はAIとデジタル深化時代を導く先端技術強国であり、世界の中で韓流をリードする文化強国です。

ここ、釜山は6.25戦争期間中、百万人を超える避難民の都市から世界第2位の積み替え港であり、グローバル物流のハブとして飛躍しました。

国連参戦国の支援により戦争の焼け跡から世界的な海洋都市として生まれ変わった釜山は、今や歴史上最も成功した万博の開催を準備しています。

2030釜山世界博覧会(万博)は人類が直面する共同の課題を共有し、その解決策を共に模索するソリューションプラットフォームとなるでしょう。

国連軍参戦勇士の皆さん、

大韓民国は困難に直面した時、命をかけて駆けつけてくれた皆さんと友好国に対する感謝の気持ちを決して忘れません。

皆さんの尊い犠牲と献身を決して忘れません。

今、世界の13か国で韓国軍将兵1,000人余りが海外派兵を通じて国際社会の平和維持活動に参加しています。

大韓民国は国際社会の責任ある一員として、自由民主主義国家と連帯し、韓米同盟を核心軸とし、インドー太平洋地域だけでなく全世界の自由、平和、繁栄のために努力していきます。

大韓民国政府と国民は、過去70年間守ってきた自由の価値が未来の世代へとつながるように最善を尽くします。

もう一度、国連参戦国と参戦勇士に深い感謝と無限の敬意を表します。

大韓民国は偉大な英雄たちを永遠に記憶します。

ありがとうございます。

参戦兵士を出迎える尹錫悦大統領。
式典に入場する国連軍参戦兵士を出迎える尹錫悦大統領。韓国大統領室提供。